もうひとつのマナー

マナー・ルール

ゴルフはマナーが非常に重視されるスポーツです。服装はプレイ中のみならずクラブハウス内でもかくあるべきといった規定がありますし、プレイに関するマナーも多岐に渡ります。しかし、これらはすべてプレイする側が守るべきとされているマナーです。マナーとはそれだけで良いのでしょうか?

ジーンズが解禁になる?

20年2月のR&Aの定例会見で、チーフディレクターがジーンズでのプレイを容認する発言をして注目を浴びています。
ゴルフの場合、中心となる組織はイングランドのR&A、そしてアメリカのUSGAです。ドレスコードについてはアメリカのパブリックなどは規定がゆるい傾向にありますが、ゴルフ発祥の地では厳格なイメージがあります。
もし、イングランドでジーンズ解禁の動きがあれば、世界のゴルフは変わっていくかもしれません。

日本のゴルフ場のドレスコード

日本でも、多くのゴルフ場ではドレスコードが定められていますし、明文化されていなくてもゴルフに行くときはこういう服装で、といった不文律が存在します。
もともとメンバーシップのコースでは、そのクラブのメンバーさん達の間でクラブの格式と雰囲気を守るためいろいろな規定が存在し、そこにお邪魔するビジターは当然同じようにその規定を守るべき、という考え方があります。それは当然のことでしょう。
しかし、現状ゴルフ場側はそれにふさわしい運営をしているでしょうか?
メンバーシップでありながら、経営的な観点から一人ゴルフの枠を設けたり、ビジターのみの組でのプレイを認めているゴルフ場は少なくありません。
そのおかげでゴルフが身近になり、気軽にゴルフが楽しめるようになってきているのは確かですが、一方でメンバーシップのドレスコードを厳格に求め、もう一方ではメンバーシップでの運営を放棄する営業をしているというのはおかしな話といえるのではないでしょうか。
もちろんどんな服装でも構わない、というのは安全性の面からも難しいでしょう。
しかし、半ズボンにハイソックスをはいて街を歩いている男性がいるでしょうか?
夏にミニスカートやショートパンツで街を歩いている女性は珍しいでしょうか?
ポロシャツなどは、もはやズボンから出す前提でデザインされていないでしょうか?
ここまで世の中の常識とかけ離れたドレスコードを定める一方で、メンバーシップを維持せず、誰でも予約したらプレイできますよ、という運営をするというのは、やはり矛盾が大きいような気がします。

プレイファーストは極めて重要だが

プレイファーストというのは、ドレスコードなどとは別に非常に重要なマナーだと思います。後続組のみならず、その日の来場者全てに迷惑がかかりますので「お金を払っているんだから良いだろう、ゆっくりやらせろ」という考え方は許されません。
お金を払っているのは、その日来場しているすべてのプレイヤーが同じ条件です。
ですので、可能な限りプレイファーストに務めるべきであると思いますが、一方ゴルフ場側も急げ急げというだけではなく、プレイヤーを守るべきでしょう。
一人予約などを4人組み合わせたパーティーでは、どうしても遅いプレイヤーに対して注意がしづらい面があります。初対面の人に早く打てとはなかなか言えません。
そんなことはわかりきっているにも関わらず、一人予約の組を多く作り、その上6分間隔でスタートさせれば渋滞するのは目に見えています。
8分間隔と6分間隔では1日に取れる予約の組数が違ってきますから、営業的には6分でスタートさせたいのでしょうがキャディもいない初対面の組を6分間隔でスタートさせておいて、遅い急げとだけ言うのは片手落ちではないかと思います。

まとめ

大勢が同じ場所で楽しむスポーツであればこそ、他者への気遣いというのは欠くべからざるものであるといえるでしょう。
ゴルフにおけるマナーとは、他のプレイヤー、芝をメンテナンスしてくださるスタッフの方々などへの気遣いに他なりません。
形骸化しているものは、そろそろ見直すべきときなのかもしれません。

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