ラウンド中の「パス」ってなに?

マナー・ルール

セルフプレーが当たり前になってきた最近ではしばしばスロープレーが問題になっています。これはプレーする人の責任だけではなくゴルフ場側にも、またメディアにも問題はあると思います。しかしどんなに頑張っても初心者中心の組の後ろにシングルクラスが揃った組がついてしまった場合、毎ホール詰まってしまうことになります。別段マナー違反のようなスロープレーをしていなくても、いつもいつも後ろを待たせていると気になってプレーに集中できなくなってしまいますよね。そんな時にパスという方法があるのをご存じでしょうか?今回は最近あまり使われなくなった「パス」についてのお話です。

パスってなんだろう

パス、というのは進行の遅い組が後ろの進行が早い組に先にプレーしてもらうように、自分たちの組を抜いてもらい順番を入れ替えることを言います。
とはいえ、まさかフェアウェイで順番を入れ替えたりすることはできません。通常はティーグランドで順番を入れ替えて自分たちよりも先に後ろの組に打ってもらうことで順番を入れ替えます。

パスしてもらうのはどんな時?

これは厳密に決まっているわけではありませんが、一番わかりやすいのは後続組の方がパーティーの人数が少ないときです。こちらが4サムで後ろが2サムなんていうときは、2サムがよほどプレーが遅くない限り後ろの組のほうが進行が速くなります。一般的にコースでの優先権は人数が少ない組にある、とされてもいますのでこのような場合はパスしてもらうべきです。これが必ずと言っていいほど実践されているのが各ゴルフ場で行われているクラブ選手権の時です。ゴルフ場のメンバーのナンバー1を決めるクラブ選手権は、予選のストロークプレーが行われたあとは2サムでマッチプレー方式で行われるのが普通です。
予選を通過したメンバーさんですので、ほとんどシングルプレーヤーです。その人たちが2サムでプレーするわけですからプレーが速いに決まっています。
ゴルフ場でもクラブ選手権の時はパスをさせるように通達が出ているのが普通です。
このようにはっきりしているケースは良いのですが、後ろも同じ4サムといったようなケースの場合はどう判断したら良いでしょうか。
この場合おもに以下の二つの基準で判断すると良いでしょう。

・前の組と間が空いていること
いくら後ろが詰まっていても、前との間が空いていなければ自分たちの組のプレー速度には問題がないことになります。混雑していて前が詰まり気味の場合は多少後ろに煽られる展開でもパスの必要なないでしょう。

・明らかに後ろの組の進行が速い場合
前との間隔が開いてしまっている状態で常に後ろにくっつかれているような場合はパスをさせるべきです。ティーグランドで「お先にどうぞ」と譲りましょう。

パスの問題点

このパスというマナーですが、実際におこなう場合少し問題がある場合があります。それはどんな場合でしょうか。

・カートを入れ替える道幅が無い場合
乗用セルフプレーが主体の今ですと、パスをさせる場合には後ろの組のカートに自分たちのカートを追い抜いてもらわないとなりません。
しかしカートの追い抜きができる道幅が無い場合はパスしてもらうことはできません。

・ゴルフ場がパスを認めない場合
非常におかしな話ですがゴルフ場がパスを嫌がることがあります。スタート室が把握している進行順序が狂うのを嫌がるためですが、言ってみれば営業上の都合です。ゴルファーにマナーを要求するのであればゴルフ場側も営業ばかり優先せずにきちんと対応すべきですが、現時点では仕方がありません。なんらかの方法でカートからスタート室に連絡する方法がある場合はパスさせる時に一報入れておいたほうが良いでしょう。

まとめ

パス、意外にもPAR3で自分たちの組が全員グリーンオンしたらパッティングに入らずに全員がマークして後ろの組に先にティーショットを打たせる、といったいわば不文律のマナーも廃れていっているようです。
スロープレーが問題になっている昨今、こういったマナーも実践していきたいものです。

関連記事一覧