ゴルフは上手い人しか人に教えられないのか?

ゴルフスクール・練習場

ゴルフというスポーツはなぜか人に教えたくなるようです。全然そんなことはないという人が大半ではあると思うのですが、昔から初心者と見ると教えたがる方がいらっしゃいます。それはそれとして、生業としてレッスンをしている方などに対して持っている資格がどうとかスコアがどうとかいうことを問題にする方もいるようです。つまり自分ができないのに他人を教えられるわけないじゃないか、ということなのでしょう。
しかし本当にそうなのでしょうか?今回はちょっとそのあたりのことを考えてみたいと思います。

できることと、教えられることは別

いきなり結論めいたお話になってしまいますが、自分ができることと教えられることというのはまったく別のことです。
もしできることしか教えられないのであれば、そもそもPGAツアーに出ている選手にコーチできる人間はいないということになってしまいます。
人に教えるためにはさまざまな能力が必要になります。その能力というのは球を打つこと、少ないスコアであがることに必要な能力とはまったく別のものです。
では人に教えるために必要な資質とはどんなものがあるでしょうか。

・きちんとしたスイングの理論がわかっていること
これは言うほど簡単ではありません。型にはまった理論であればいわゆる「理論オタク」的な人でも理解はしているでしょう。
しかし、人に教えるということは常に応用問題ですので応用が効くレベルで理解をするということは一朝一夕でできることではありません。

・教える対象者をきちんと上達させることができる
例えば運動経験がある20代の初心者とずっとデスクワークをしていた40代の初心者がいたとします。この両者に同じことを教えたとしたらその時点でレッスンのプロとしては失格でしょう。
バックスイングで上半身を回せ、肩を回せといっても柔軟性が高い若い人と凝り固まってしまっている年齢の人では当然できる範囲に差があります。
回らない人にただ回せ、と言い回らないからスライスするんだ、飛ばないんだ、と投げ捨ててしまうようなレッスンにはお金を払う価値はありません。
教える対象者は年齢性別、運動歴はもちろん身体的な特徴や練習に割ける時間なども全員が異なっています。
そういった差異をきちんと考慮して一人ひとりにあったレッスンを展開できる必要があります。また、教える対象者がどのレベルまでいきたいのかといったことによっても教える内容は違ってきます。それらをきちんと整理して教えるということは大変難しい作業であるといえるでしょう。

頼まれてもいないのに教える人へ

練習場などで初心者と見ると、頼まれてもいないのにいきなりアドバイスを始める人がいます。はっきりいって相手は迷惑していますので絶対にやめてください。
まず第一に練習の意図は他人にはわかりません。
例えばドローヒッターがフェードを習得するために、最初大き目のスライスを打つ練習をしていたとします。それを見てスライスを直すアドバイスをいきなりしたりしたらどうでしょう?
またスイングを作る初期の段階ではボールに当たることを重視しない段階もあります。それなのにこうすればうまく当たるなどと言うことは相手の上達を遅らせるだけです。
特に初心者を教える場合、3か月とか6か月とかそういったスパンで教えることもあります。それはその初心者を継続的に教えている人にしかわかりません。
また極端な例かもしれませんが別に上達したいわけではなく、単なる憂さ晴らしや運動不足の解消のためだけにクラブを振っている人だっているかもしれません。
そんな人にレッスンの押し売りをするのは迷惑以外のなにものでもありません。
筆者の経験則からいえば、本当にゴルフを理解している人ほど無理に人を教えたりはしません。相手が何を考えてボールを打っているのが他人にはわからないということを良く知っているからだと思います。

まとめ

どうも日本のスポーツの世界では、教える技術と自分ができることは別だという認識が少ない気がします。これはゴルフに限ったことではありません。
もちろん、ゴルフは経験がものをいう部分がありますのでまるっきり出来ないでは話になりませんが60台を出したことがなくても立派に人に教えられる人は沢山います。
大事なのは教える技術です。

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