元クラブ設計者が教えるやさしいクラブの選び方

プレー・クラブ

ゴルフは道具への依存度が非常に高いスポーツです。とりわけクラブの重要性は言うまでもなくもっとも高いと言って良いでしょう。少しでも打ちやすい、やさしいクラブが欲しいというのはアマチュア共通の悩みですが、特にスイングの固まっていない初心者、初級者の方はクラブが難しいとスイングそのものもおかしくなっていまうことがあります。しかし、いざ選ぼうと思ってクラブのカタログを読んでいるとどれも良さそうでわからなくなってしまうのではないでしょうか。そこで今回は元クラブ設計の仕事をしていた筆者がやさしいクラブの選び方のコツをお話ししたいと思います。

やさしいクラブとはなにか

さて、どうやってやさしいクラブを選べば良いのかというお話の前に、簡単にやさしいクラブの定義について考えてみましょう。
やさしいクラブというのはスイングのレベルによってまったく変わってきます。競技アマやプロが軟鉄のキャビティの浅いものを好むのは別にかっこいいとかうまく見えそうだという理由ではなく、(たまにそういう理由でクラブを選ぶ方もいるようですが)たんにその形状がやさしいからです。しかしそういったクラブは初心者初級者には非常に難しいクラブになります。
では初心者初級者にとってやさしいクラブというのはどんなクラブでしょう。

・スイートスポットが広く芯を多少はずしても大きなミスにならないクラブ
・ボールがよく掴まりスライスしにくいクラブ
・ボールが高くあがるクラブ

この3つの要素は非常に大切です。その辺はメーカーさんも承知しており、なんとかシステム搭載!などいろいろ斬新な謳い文句がカタログ上を踊っています。
さて、ここでひとつ選び方の最初のコツをお話しします。それはそういったいろいろなシステムはとりあえず全部無視してください、ということです。少し乱暴な言い方ですがなんとかシステムとかタングステン何グラムというのは、実はほとんど性能に影響しません。
正確には性能はもちろん変わるのですが、そんな大きな数字で変わるわけではなく重心が下がったといってミリ単位。毎回センチメートル単位で打点が変わってしまう一般アマチュアにはほとんど意味がないということです。
ではそういったカタログの謳い文句を見ずに、先ほどあげた3つのポイントを押さえるにはどうしたら良いでしょうか。

スポットの広いクラブを選ぶには

これは単純に大きなヘッドを選んで下さい。スイートスポットの広さはヘッドの大きさに比例します。重量配分などの工夫で広げることができたとしても、パターのように大胆に形状が変えられるならともかく通常の形状のクラブでは効果は極めて限定的です。それに対してヘッドの大きさは劇的にスポットを広くします。

ボールの掴まりの良いクラブ

これは外見だけではわかりにくい部分もありますしシャフトとの相性の問題も大きいので打ってみないとわかりにくのですが

・最低限フェースがオープンフェースではないこと
・ライ角がややアップライトなもの
・アイアンであればネックがグース形状のもの

を基本的には選びましょう。またシャフトは柔らかめのほうが掴まりが良くなります。見栄をはって硬めのシャフトを選ぶとマン振りできる練習場ではともかくコースでは右にペラペラっとした球が出てしまいます。

ボールが高く上がるクラブ

特にアイアンでボールが高くあがることは非常に大切な要素です。上がらないと無意識に上げに行くスイングになりますがゴルフのスイングは基本的に低く打とうするスイングが良いスイングですので、スイング形成している段階ではぜひ高くあがるクラブを使ってください。

・キャビティバックでソールがやや広めのもの
・極端なストロングロフトではないもの

ボールの掴まりが良ければ必然的にある程度ボールはあがりますが、付け加えると上記のような点でしょう。

まとめ

クラブのカタログは魅惑的な文言が並んでおり、最先端のなんとかシステムがついていないとうまく打てないのではないか、と疑心暗鬼になりがちです。ですがそんなことはありません。形状的な基本さえ押さえておけば、他のことはある程度無視しても大丈夫です。
あとは合う合わないはあるので、試打をして買い求めるようにすると良いでしょう。

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