メルセデスランキングってどんなランキング?

国内女子

2020年のJLPGAの最終戦リコーカップは原英莉花選手が4日間トップを明け渡さない完全優勝で幕を閉じました。例年であればリコーカップがシーズンの最終戦で、2019年は鈴木愛選手が賞金女王を決めた大会でしたが、2020年はコロナの影響でシーズンが2021年と統合されましたので賞金女王争いはますます白熱しそうです。
ところでこの大会の参加資格を見てみるとメルセデスランキングという言葉が出てきます。名称を聞いてもどんなランキングかわかりにくいのですが、これはどんなランキングなのでしょうか?

メルセデスランキングとは

あらためてリコーカップの出場資格を見てみると「今季のツアー優勝者」「賞金ランキング30位以内」といった資格とともに「メルセデスランキング30位以内」という項目があります。
ツアー優勝者や賞金ランキング30位以内というのはすぐにわかりますが、メルセデスランキングというのはなんなのかわかりにくいですね。
このメルセデスランキングというのは創設が2012年。JLPGAとメルセデスベンツ日本がパートナーシップ契約を結んだ際に作られたものです。
これはツアーでの成績とラウンド数をポイント化して順位を決めるもので、1位の選手には賞金女王と同じ3年間のシード権が付与されるほか、2020年の改定により順位に応じたシード権も付与されるようになりました。

メルセデスランキングの内容

まずメルセデスランキングにより選手に与えられるメリットですが、

・1位の選手は3年間のシード権が与えられるほか表彰される。
記憶にある方もいらっしゃるでしょうが、2019年は渋野日向子選手でした。

・上位50位までの選手は翌シーズン1年間の出場権が与えられる
従来は賞金ランキングのみで与えられていたランキング上位者のシード権をメルセデスランキング上位者にも与えるという改定が2020年より行われました。

・上位51位から55位までの選手は翌シーズンの第1回目のリランキングまでの出場資格が与えられる。
これも2020年の改定から加わった項目です。

メルセデスランキングのポイント付与条件

ではメルセデスランキングのポイントはどのように付与されるのでしょうか?細かい条件を全部記載するのはスペースの都合上難しいので基本的なポイント付与条件を見てみましょう。
JLPGAのツアー競技の決勝ラウンド進出者は最終順位により、ポイント配分テーブルによるポイントが付与されます。
このポイントの特徴は大会の大きさにより付与されるポイント倍率が変わることです。3日間競技に対して4日間競技は1.5倍、国内メジャーは2倍、そして海外メジャーはなんと4倍のポイントが付与されます。
例えばリコーカップのような国内メジャー大会は優勝選手には400ポイントが付与され、2位240ポイント、3位180ポイント、といったようにポイントが決まります。

なぜメルセデスランキングがあるのか

さて、ここで一番の疑問ですが、そもそもなぜメルセデスランキングがあるのでしょうか?賞金ランキングがあるのだからそれで良いのではないでしょうか。
それは賞金ランキングだけですと、同じ3日間競技4日間競技でもスポンサーの関係などもあり賞金額が異なってくるからです。
同じ4日間競技に優勝しても、ある大会では賞金2000万円、ある大会では賞金1000万円だとすると同じ優勝でも評価が変わってしまいます。そのため賞金額以外の尺度を設けて選手の総合的な活躍を評価しようとするのがメルセデスランキングなのです。
アメリカのPGAツアーに詳しい方はよくご存じでしょうが、PGAツアーにもフェデックスランキングというランキングがあります。PGAではこのポイントによりツアー最終戦のツアー選手権の出場資格が決まります。(この大会は2020年の優勝賞金は1500万ドル。約16億円という桁違いの賞金です)

まとめ

メルセデスランキングはどうしても賞金ランキングに比べて影が薄い印象があります。テレビの解説などでも賞金ランキングの紹介はしてもメルセデスランキングの紹介はなかなかありません。しかし選手の総合的な活躍の指数ですので機会があればぜひメルセデスランキングにも注目してみてください。

関連記事一覧