ゴルフは飛ばないとスコアにならないのか

プレー・クラブ

ゴルファーなら誰しも少しでも遠くに飛ばしたいと思うもの。これは初心者からプロまで変わることはありません。特に日本のゴルファーは飛ばしに対する欲求が強いようで、ドライバーやボールの宣伝文句は「飛びます」一本やりといったところです。
でもゴルフは本来少しでも少ないスコアであがる競技です。少ないスコアであがるために飛距離というのは本当に必要なのでしょうか。

飛ぶ人は絶対的に有利

ゴルフは飛ぶ人は飛ばない人に比べて絶対的に有利です。
ドライバーで30ヤード人より飛べば次のショットの番手が2つ変わります。飛ぶ人はアイアンも飛ぶので、それを加味するとセカンドショットが3番手から4番手変わってくるかもしれません。
飛ばない人がユーティリティーで打つところを飛ぶ人は8番アイアンで打てるわけですから絶対的に有利なのはあきらかでしょう。

そういったスコア面だけでなく、仲間とのゴルフでドライバーをかっ飛ばして飛距離が出ると周りから「オー!」と羨望の声があがり実に快感です。よく冗談でドライバーのスーパーショット1発で1ヶ月はお酒の席で自慢できるなんて言われるほどです。

メーカーもアマチュアゴルファーの飛距離への渇望を煽るようにこれを使えば〇〇ヤード飛ぶ!といった広告を繰り広げます。
ゴルフ用品の進歩は目覚ましく、一昔前は日本のプロでも260ヤードくらいの飛距離で戦うことが普通でしたが、最近はちょっと飛ばし屋のアマチュアであれば同じくらいの飛距離を飛ばしてきます。

しかし、それに比例してアマチュアの平均スコアが良くなりゴルフが簡単になったという話は聞きません。
飛ぶ人は絶対的に有利と書きましたが、その飛距離をスコアに反映させるには相応の技術が必要だからです。
簡単にいってしまえば飛距離が絶対的に有利なのはプロや競技アマの世界の話であって、一般のアマチュアであればそれほど関係がありません。

飛ぶことと上手いことは別物

ゴルフというのはロングゲームとショートゲーム、パッティングから成りますが、一般のアマチュアにとって大事なのは間違いなくショートゲームとパッティングです。
ドライバーがどんなに飛んでもセカンドショットでダフったり、曲げてバンカーに入れてそこで大たたきしたり、乗っても3パットではあがってみたら飛んでない人にスコアで負けているなんてことになります。
セカンドショットでダフるとか、明後日の方向に飛んでいくといったことが考えにくいレベルのゴルファーであれば、ドライバーの飛距離はアドバンテージになりますが、フェアウェイからきっちり打てない一般のアマチュアは飛距離とスコアは必ずしも一致しません。

そこそこ飛べば十分

一般アマチュア向けの白マークからですと、通常のパー4では360ヤードくらいの設定が多いのではないでしょうか。
少し長いホールでも400を少し超えるくらいで、それ以上のこともありますがそんなホールは打ち下ろしだったりすることが多いようです。

さて、少し長めの400ヤードで考えてみましょう。ドライバーが200ヤードであればセカンドも同じだけ残ります。
遠く感じるでしょうか、グリーンセンターまで200ということはエッジまでは180ヤード前後でしょう。
アイアンで刻んで150ヤード打ったとすると、もうグリーンエッジまでは30ヤードくらい。アプローチでポンと乗せて2パットならボギー。間違って寄ればパーだって拾えなくはありません。
白マークからのゴルフで400ヤード越えのパー4はそういくつもありませんから、ボギーで切り抜けられれば十分。他のホールでいくつかパーが拾えれば80台だって狙えます。

残り150くらいからかなりの確率でグリーンオンさせられる技術があれば、ドライバーが200ヤードでも、距離が長いいくつかのホールを除けばパーオンできるわけで、パッティングが良ければ70台も出るでしょう。
しかし、ショートアイアンでダフったりアプローチをザックリしていたらこれは飛距離に関わらずスコアになりません。

ショートゲームが良ければスコアは出せる

逆にいえば、先ほどご紹介したようにショートゲームがきちんと打てれば200ヤードも飛べば十分に70台が出るわけです。
もちろん同じ技術であれば飛んだほうが有利です。

しかし、アスリートゴルファーではない一般社会人であれば仕事の合間にそうそうトレーニングに励む時間もないでしょうし、若くなければ筋力をつけて飛距離を伸ばすというのはあまり現実的ではありません。
それでもショートゲームが一定レベルであれば、一般アマチュアとしては十分なスコアを出すことが出来ます。

まとめ

飛ばすことは快感ですし、飛ばない人は飛ぶ人をうらやましく思うでしょう。それは当然ですし筆者も飛ぶ人がうらやましいです。

しかし、飛ぶこととスコアが出ることは必ずしもイコールではありません。あまりにも飛距離にこだわるとスイングを壊しますしリキみにもつながります。
今よりも10ヤード余分に飛ぶよりも、アイアンが10ヤード正確になるほうがスコアになります。飛ばないからといってけして良いスコアが出ないわけではありません。それは勘違いしないほうが良いのではないかと思います。

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