素朴な疑問を解決!2番ウッドや1番アイアンがない理由はこれ

ウッド

ゴルフクラブで、その存在がなくても違和感がない2番ウッドや1番アイアン。
ないのが普通なので普段は気になりませんが、もともとはあったはずと思うと、なぜないのか気になりますよね。
そこでなぜ今は2番ウッドや1番アイアンが見られないのかをご紹介していきます。

ゴルフクラブはセットで販売

1905年にゴルフボールの凸凹「ディンプル」が開発されると、弾道の安定性が増しました。
それをきっかけに、飛距離をクラブごとで打ち分ける考え方が進んだそうです。

【初期のゴルフクラブのセット】
1926年に世界初となる12本マッチドセットアイアンが登場しました。
セントアンドリュースのクリーク(アイアン)メーカーのトム・スチュアートが『RTJ』マークを入れて作り上げたもので、構成は次の通りです。

・ ドライビング・マッシー
・ 1アイアン
・ 2アイアン
・ 3アイアン
・ 4アイアン
・ マッシーアイアン
・ マッシー
・ スペード・マッシー
・ マッシー・ニブリック
・ ニブリック
・ クリーク
・ パター

このスチュアートがのちに作ったアイアンセットを、ボビージョーンズが使って1930年にグランドスラムを達成することになります。

【番手を数字で管理する流れ】
ジョーンズは競技引退後、スポルディング社と組んでクラブ制作に尽力しました。
ちょうどスチールシャフトの普及でクラブの量産化が進み、セット販売が現実的に。
このセット販売をきっかけに、番手を数字で管理するという流れができました。

しかしクラブ本数が14本以内に規制されたのは1938年。
それ以前にアイアンが1~9番までとなったのは、『RTJ』アイアンの影響だと言われています。
スチュアート考案のセットは、ドライビング・マッシーとクリーク、パターはエクストラクラブであって、1アイアンからニブリックまでの9本でレングスやロフトをフローさせていたようです。
それでジョーンズはアイアンセットを9本にしたということです。

2番ウッドとロングアイアンはウェッジに交代

そして、アイアンだけでなく、ウッドも同じような管理となっていきます。

【ウッドもセット化される】
アイアンがセット販売になると、ウッドも同様にセット化(数字化)されました。
こちらも半インチ刻みですが、ロフト角は3度差で設定。
それまでの経験から、バッフィにあたる4番ウッドのロフト角を20度前後で抑えたかったからでしょう。
ちなみに、パーシモンヘッドのドライバーのロフト角の標準は11度でした。

【バッグから姿を消したアイアンとウッド】
アイアン9本にウッドは4本ト、それとパターで計14本、のはずでしたが、早々に2番ウッドと1番アイアンはバッグから姿を消してしまいました。
PWとSWのニーズが高まって、最も扱いが難しい2本が外されたわけです。

第二次大戦後くらいから、番手ごとの標準飛距離がカタログに載るようになりました。
当時は1番アイアンのロフト角は16度、9番は48度。
アイアンセット販売から1,2番アイアンが消えたのは1960年代で、代わりにPWとSWが加わりました。

【中途半端な2番ウッド】
さて2番ウッドは代わりもなく抜けたままですが、その理由はスペックが中途半端だったから。
ロフト角14度ではドライバー代わりとしても差がつかず、フェアウェイからはロフト角17度の3番ウッドほど打球は上がらないだけdなく、むしろ飛ばなくなります。
当時のウッドセットは高額で、4本よりは3本の方が買いやすいという事情もあったでしょう。

上級者は代わりに2番アイアンを入れたり、初中級者は5番ウッドを検討したり、という感じになりました。
以降「7番アイアンは○○ヤード」「ウッドは1,3,5が当たり前」というイメージに合わせて、スペックが変化しています。

まとめ

ゴルフクラブには14本以内という決まりがあります。
その本数は最初から決まっていたわけではないので、それによって外されてしまったクラブというのもありました。
その流れから、もともとは存在した2番ウッドや1番アイアンが押し出されてしまったということです。
もしそれらがあったとしても、使い方に苦慮して結局使わずじまいになりそうですね!

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